投稿日:2025.07.31 最終更新日:2025.12.11
投稿日:2025.09.01 最終更新日:2025.09.01
「せっかく作るなら、長く安心して使えるウッドデッキにしたい。」
お庭にウッドデッキを考えたとき、多くの方が気になるのが「腐って長持ちしないのでは?」という点です。
活論からお話しすると、腐らないウッドデッキなら、やはり人工木が候補にあがります。
ただ、やっぱり天然木の気持ちよさも捨てがたい、という方も多いはず。
実は、天然木の中にも非常に腐りにくい木材があり、さらに知っておいてほしいのが、素材選びと同じくらい「腐らせないための設計」が大切だということです。
この記事では、人工木と腐りにくい天然木(ハードウッド)それぞれの特徴と、どちらを選ぶにしても重要な「5つの設計ルール」を分かりやすく解説します。
12年間住宅の設計に携わり、その際、エクステリアの持つ可能性に興味を持ち、外構の設計として13年になります。
目次

ウッドデッキで「腐らないこと」を最優先するなら、結論からいうと人工木(樹脂木)がもっとも確実で人気です。
どうして人工木は腐らないのか、その仕組みと、意外と知られていない注意点まで、お話しします。
このあと、天然木の中でも特に腐りにくい「ハードウッド」との違いも比べていきますので、どちらが自分に合っているか、選ぶためのヒントが見つかるはずです。
人工木が腐らない理由は、その素材の構造にあります。
人工木は、天然木の木粉とプラスチック(樹脂)を混ぜ合わせて成形した工業製品です。
木材を腐らせる「腐朽菌」は、湿気を栄養にして木の成分を分解しますが、人工木は樹脂でコーティングされているため、水分が内部にほとんど浸透しません。
また、シロアリも餌となる木の成分が樹脂で固められているため、食害の心配がほとんどないのが大きなメリットです。
さらに、工業製品であるため品質が安定しており、天然木のような反りや割れ、ささくれが起きにくい点も、長く安心して使える理由の一つです。
「人工木なら絶対に安心」かというと、実はそうともいい切れません。
人工木デッキでよくある失敗が、デッキ本体ではなく、それを支える下地や根太といった構造部分が腐ってしまうというケースです。
特に、下地に耐久性の低い木材を使っていると、地面からの湿気で先に下地が劣化し、デッキの寿命を縮めてしまいます。
人工木を選ぶ際には、素材特有の性質も知っておくことが大切です。
特に注意したいのが、夏の表面温度の上昇です。
色の濃い製品は熱を吸収しやすく、真夏には裸足で歩けないほどの高温(70℃近く)になることもあります。
また、製品にもよりますが、長期間の使用で色あせが起こる可能性もゼロではありません。
表面の保護層が傷つくと、そこから水分を吸ってしまうリスクも考えておくと、より安心です。
腐らないという意味では、人工木が確実ですが、やはり「天然木と比べるとどうなんだろう?」と気になりますよね。
そこで、人工木と、天然木の中でも特に腐りにくい「ハードウッド」を比べてみました。

| 項目 | 人工木デッキ | 天然木デッキ(ハードウッド) |
|---|---|---|
| 腐朽への耐性 | ◎ 湿気で腐らない | 〇 非常に腐りにくい |
| メンテナンス | ◎ ほぼ不要(洗浄程度) | △ 定期的な手入れ推奨 |
| 初期費用 | 〇 やや高め | △ 高価 |
| 裸足での快適性 | △ ささくれ無しだが夏は熱い | 〇 木の質感があり夏も比較的快適 |
| 夏の表面温度 | △ 非常に高温になることも | 〇 熱をためにくい |
下地や設置環境によって条件は異なります。
手入れの手間をかけたくない、という点を最優先するなら人工木がおすすめです。
より詳しい比較については、こちらの記事も参考にしてみてください。
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とはいえ、天然木の風合いや夏場の快適さも捨てられないという方向けに、天然木でも腐りにくいものを紹介します。
人工木の機能性は魅力的でも、「やっぱり木の温もりや、本物の質感が欲しい」と感じる方も多いでしょう。
そんな方のために、天然木の中でも非常に腐りにくく、ウッドデッキに適した木材「ハードウッド」が存在します。
ここでは、日本国内での流通量や施工実績が豊富で、それぞれの特徴が分かりやすい4種類のハードウッドをプロの視点で厳選してご紹介します。

とにかく頑丈で、長く持せたい人向け
「アイアンウッド(鉄の木)」という異名を持つほど、密度が高く非常に硬い木材です。
ポリフェノールを豊富に含んでいるため、防腐・防虫効果が極めて高く、薬剤処理なしで20年以上の耐久性が期待できます。
東南アジアでは桟橋などにも使われるほど、その耐久性は折り紙付きです。
ただし、非常に硬いため施工が難しく、専門的な技術が必要になります。
また、施工してしばらくは、雨によって赤茶色の樹液(アク)が出ることがあるので、コンクリートなどを汚さないよう注意が必要です。

価格は高くても、見た目の美しさや質感を最優先したい人向け
ウリンに次ぐ高い耐久性を持ち、「デッキ材の王様」とも呼ばれる高級木材です。
表面の木肌がとてもきめ細かく滑らかで、ささくれがほとんど出ないのが一番の特徴。 小さなお子様やペットがいるご家庭でも、安心して裸足で使いやすいでしょう。
落ち着いた色合いで、どんな住宅デザインにも上品にマッチします。
近年は価格が上がっているため、予算に余裕がある方向けの木材です。

素足で歩く心地よさ、優しい肌触りを重視したい人向け
天然の油分を非常に多く含んでおり、しっとりとした滑らかな肌触りが魅力です。 その油分が天然の防腐剤の役割を果たし、高い耐久性を発揮します。
ささくれが出にくいため、イペと同じように素足で歩くことが多い方におすすめです。
耐久性とコストのバランスが良く、ウリンやイペに比べると価格も少し抑えめです。
経年変化で美しいシルバーグレーになるのも人気の理由です。

コストを抑えつつ、10年以上の耐久性を確保したい人向け
ハードウッドの中では比較的価格が手頃で、ホームセンターなどでも手に入りやすい木材です。 コストパフォーマンスの高さから、広く利用されています。
15年ほどの耐久性が期待でき、防腐・防虫性も備えています。
ただし、他の3つの木材に比べると、乾燥による反りやささくれが出やすい傾向があります。
そのため、快適に使いつづけるには、定期的にヤスリをかけるなどのメンテナンスを考えておくと良いでしょう。
ここまで人工木と天然木、それぞれの素材についてご紹介してきましたが、実は素材選びと同じくらい重要なのが「腐らせないための設計」です。
どんなに良い素材を使っても、設計が悪ければウッドデッキは長持ちしません。
ここでは、その5つのポイントを、具体的に解説しますね。

ウッドデッキの寿命を左右する、大切なポイントが床板を支える「下地」です。
床板が無事でも、下地が腐ってしまっては元も子もありません。
もっとも確実で安心なのは、腐る心配のないアルミやスチール製の鋼製下地を選ぶこと。
予算が許せば、これが一番のおすすめです。
木材にこだわる場合は、床板と同じハードウッドや、防腐剤を加圧注入した木材など、耐久性の高いものを選びましょう。
特に注意したいのが、防腐注入材を現場でカットした場合です。
切り口には薬剤が染みていないため、必ず防腐塗料を塗ってもらうようにしてください。

湿気は木材の大敵です。 床下の風通しを良くし、湿気を溜めないことが、腐れやシロアリを防ぐ上でとても大切です。
具体的には、
といった方法があります。
地面すれすれに設置された風通しの悪いデッキは、腐りやすい典型的なパターンなので、注意してください。

デッキの表面に雨水が溜まったままになるのも、劣化を早める原因です。
プロは、見た目ではほとんど分からないくらいのわずかな勾配(1/100程度)をデッキにつけて、水が自然に流れるように設計します。
また、床板と床板の間に5mm程度のすき間を設けることで、雨水を下に逃がします。
このすき間がゴミや葉で詰まると水はけが悪くなるので、定期的な掃除も長持ちさせる秘訣です。

これは基本的なことですが、とても重要です。
木材部分が直接地面に触れていると、そこから水分を吸い上げてしまい、腐食やシロアリの格好のターゲットになります。
必ずコンクリート製の束石の上に柱を立て、木材と地面を切り離すのが鉄則です。
DIYでウッドデッキを作る際にも、この点は絶対に守ってください。

ウッドデッキを固定しているビスや金物が錆びてしまうと、その錆が木材に移ってシミになったり、木材を傷めたりする原因になります。
使用するビスは、必ずステンレス製を選びましょう。
安価な鉄のビスは数年で錆びてしまい、交換が必要になることもあります。
また、木材の切断面(小口)は水が染み込みやすいため、保護塗料を塗る「端部処理」をしっかりおこなうことも、腐りを防ぐ上で効果があります。

最後に、「腐らないウッドデッキ」を検討するときによくいただくご質問にお答えします。
A. きちんとした設計と施工がされていて、よほど過酷な環境でなければ、20年以上の耐久性が期待できます。
多くのメーカーが10年保証などを付けており、素材自体の寿命はとても長いです。
ただし、これまでお話ししてきたように、下地の木材が先に傷んでしまうケースがあるため、下地選びも合わせて考えることが大切です。
A. 人工木、特に色の濃いものは、夏の直射日光で70℃近くまで表面温度が上がることがあります。
裸足で歩くのは少し危険なくらいです。
一方、天然木は比較的熱を持ちにくく、人工木ほどの高温にはなりにくいです。
日除けのシェードを付けたり、夏場はサンダルを使ったりといった工夫をおすすめします。
A. ハードウッドのささくれが気になった場合は、紙やすりや電動サンダーで磨くのが一番です。
年に1回くらい、表面をチェックして、気になるところだけ手入れすれば、滑らかな状態を保てます。
10年経ったデッキでも、サンディングで見違えるように綺麗になります。
A. 結論からいうと、安全や長持ちの観点からあまりおすすめはできません。
| プール | ビニールプールでも水の重さは想像以上に大きく(直径2m/水深30cmで約940kg)、デッキの耐荷重を超える恐れがあります。頻繁に水に濡れるのも劣化の原因になるため、どうしても置きたい場合は小型のものを短時間にし、使った後はすぐに水を拭き取ってください。 |
|---|---|
| バーベキュー | 炭の火の粉やコンロの高熱で、人工木は溶けたり、天然木は焦げたりする危険があります。火事の危険もあるため、コンロの下には必ず耐熱シートやブロックを敷き、安全に十分配慮する必要があります。 |
気兼ねなく楽しみたい場合は、タイルデッキなど他の方法を考える方が安心です。
A. 人工木やハードウッド自体はシロアリにとても強いため、デッキ本体への対策は基本的にいりません。
ただし、下地に耐久性の低い木材を使っている場合は、その部分への対策が必要になることがあります。
また、ウッドデッキが住宅に隣接している場合、デッキがシロアリの通り道になってしまう可能性もゼロではありません。
床下の風通しを良くしておくことが、シロアリ予防にも繋がります。
この記事では、腐らないウッドデッキを実現するための素材選びと、プロが実践する設計のポイントを解説してきました。
メンテナンスの手軽さなら「人工木」、木の温もりを重視するなら「ハードウッド」という選択肢がありますが、腐らせないためには素材だけではありません。
ウッドデッキの寿命は、下地選びや通気・排水計画といった「腐らせない設計」との組み合わせ、つまりトータルバランスで決まります。
達匠では、これまで岐阜・愛知エリアで5,000件以上の施工を手掛けてきた経験を元に、地域の気候やお客様のライフスタイルに合わせた最適な「ウッドデッキ」をご提案します。
素材選びで迷われたり、専門家の視点からのアドバイスが必要でしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
投稿日:2025.07.31 最終更新日:2025.12.11
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