タイルデッキが増加中?ウッドデッキとの9項目比較と10年後の費用差の意外な事実
タイルデッキにするか、ウッドデッキにするか。 デッキ選びで迷っている方は多いですよね。 価格、見た目、メンテナンス。 比較ポイントが多く、なかなか決められないのも無理はありません。 じつは最近、達匠ではタイルデッキのご依頼が増えています。 とはいえ、費用もメンテナンスの手間も、素材によってかなり違います。 BBQをよくするご家庭か、小さなお子さんの遊び場にしたいか。 そういった使い方によっても、変わってきます。 この記事では、タイルデッキとウッドデッキの費用・耐久性・安全性・用途別の向き不向きをプロの視点で解説します。 あわせて、最近タイルデッキのご依頼が増えている背景についても考察してみます。 この記事でわかること 初期費用と10年の維持費を合算したトータルコスト比較 耐久性とメンテナンスの手間の違い 安全性の違い(滑り・硬さ・夏の熱さ) BBQ・子どもの遊び場など用途別の向き不向き タイルデッキが増えてきた背景(現場からの考察) タイルデッキとウッドデッキはどこが違う?費用・寿命・メンテナンスで比較 「費用ってどのくらい違う?」「手入れはどっちが楽?」「どっちが長持ちするの?」 デッキを選ぶとき、きっとまずそこが気になりますよね。 まずはざっくりと全体像を把握するために、主な比較項目を一覧にまとめました。 比較項目 ウッドデッキ タイルデッキ 素材・構造 束柱+骨組み+木材(天然木または人工木) コンクリート基礎+モルタル+タイル仕上げ 耐久性・寿命 5〜30年(種類による) 30〜50年目安 メンテナンス 3年に1度の再塗装が目安+年1回水洗い 日常の掃き掃除・水洗いが中心 初期費用(10㎡目安) 25〜40万円 15〜80万円 10年間の維持費 12〜18万円(業者依頼の場合) ほぼなし(長期で目地補修の可能性あり) 滑りやすさ 濡れると滑り注意 防滑性能を数値で選べる。濡れると滑りやすい 転倒時の安全性 木材の弾力で衝撃を吸収 硬いため転倒時の衝撃が大きい 夏の表面温度 60℃程度まで上昇することがある 70℃近くになる場合もある 火気への対応 取説で「近くで火気使用禁止」と明記 陶磁器質タイルは国交省告示の不燃材料 では、それぞれの違いをもう少し詳しく見ていきましょう。 ウッドデッキは束柱、タイルはコンクリート基礎で作る まずは構造的なお話(どうやって作るか?)から。 ウッドデッキは、地面に束柱(支柱)を立てて骨組みをつくり、その上にデッキ材を張って仕上げます。 素材は天然木か人工木(樹脂系)かで、耐久性もメンテナンスの手間もかなり違ってきます。 床下に湿気がこもりやすいため、通気と水はけがとても大切になります。 一方、タイルデッキは、地面を砕石で固めてコンクリートを打ち、モルタルで平らに均してからタイルを張ります。 地盤から順番につくり上げていく分、工事の手間はかかります。 タイル自体は雨にも紫外線にも強い素材ですが、目地や下地が傷んでくると見た目も足元の安全性も落ちてきます。 木はナチュラルな温もり、タイルはモダンで高級感 見た目の方向性は、ウッドデッキが「自然な木の温もり・ナチュラルな雰囲気」、タイルデッキが「モダンで高級感のあるスタイリッシュな印象」と、大きく違います どちらが家の外観に合うか、どんな雰囲気にしたいかは最終的には好みによるところが大きいです。 タイルの寿命は30〜50年、天然木は5〜10年が目安 耐久性はの差は、「木かタイルか」だけはありません。 ウッドデッキは素材によって寿命の差がかなり大きいからです。 一般的な木材(ソフトウッド寄り):防腐塗装をしても耐久年数は5〜10年程度 ハードウッド(イペやウリンなど):20〜30年 樹脂系(人工木):20年以上 タイルデッキは、陶磁器質タイルの耐用年数は30〜50年が目安とされており、変色・変質がほぼ起きないのが特長です。 ただし「半永久的」というのはあくまで素材の話で、目地の劣化や施工不良が原因の浮き・剥がれは別の問題。 長期的な点検は必要です。 「長持ちさせたい」ならタイル、「経年変化を楽しみたい」なら天然木のウッドデッキ。 ここが選び分けのポイントになります。 メンテナンスの手間を減らしたいならタイルが楽 ウッドデッキを長持ちさせるには、年1回程度の水洗いと、3年に1度を目安にした再塗装が基本です。 「手間」と感じるか「楽しみ」と感じるかは人によりますが、忙しい共働き家庭にとっては正直なところ、負担になりやすいですよね。 タイルデッキは日常の掃き掃除と水洗いが中心で、メンテナンスの手間はずっと少なめです。 ただし完全にゼロではなく、10〜15年後には目地のひび割れが発生する場合があります。 要は、木は「塗装(保護)で延命する素材」、タイルは「汚れを落とせばリセットできる素材」というイメージでしょうか。 タイルデッキとウッドデッキ、10年間でかかる費用はどのくらい違う? 「ウッドデッキの方が安いですよね?」というご質問をよくいただきます。 初期費用だけを見るとウッドデッキの方が安く見えますが、長期的なメンテナンス費用を含めると、話は少し変わります。 10年間のトータルで計算してみました。 初期費用はウッドデッキが安くなりやすい 結論から言うと、同じ広さで比べた場合、ウッドデッキの方が初期費用は安くなりやすいです。 10㎡(約6畳)前後の費用目安は次の通りです。 初期費用の目安(10㎡前後) ウッドデッキ 25万〜40万円 タイルデッキ 15万〜80万円 タイルデッキの費用の幅が大きいのは、コンクリート基礎工事とタイル貼り作業が必要で、下地の条件・高さ・デザインによって費用が大きく変わるからです。 一方、ウッドデッキは基礎工事がシンプルな分、材料費・施工費ともに抑えやすいです。 ただしこれは、あくまで目安で、材質・サイズ・デザイン・土地条件によって変わるため、実際の費用は見積もりで確認するのが確実です。 維持費はタイルがほぼゼロ、ウッドデッキは再塗装費がかかる 初期費用と並んで大切なのが、毎年かかる維持費です。 ウッドデッキは定期的な再塗装が必要で、業者に依頼すると1㎡あたり4,000〜6,000円かかります。 10㎡なら1回4万〜6万円。 これが3年に1度のペースで発生します。 DIYで塗装する場合は塗料代のみで1㎡あたり1,000〜1,500円程度に抑えられますが、時間と体力は必要です。 タイルデッキの維持費のほとんどは掃き掃除・水洗いで、費用としてはほぼかかりません。 ただし、先ほどお伝えしたように10〜15年後に目地の補修が必要になる場合があります。 「まったくゼロ」ではない点は頭に入れておきましょう。 10年総額では同じくらいになることもある 10㎡のデッキで、10年分の費用を試算してみるとこうなります。 10㎡のウッドデッキ(業者再塗装の場合) 初期費用:25〜40万円 再塗装:4〜6万円×3回(3年に1度)=12〜18万円 10年の総額:37〜58万円 10㎡のタイルデッキ 初期費用:15〜80万円 維持費:ほぼなし(長期で目地補修の可能性あり) 10年の総額:ほぼ初期費用のみ タイルデッキが40〜60万円台なら、再塗装を繰り返した場合のウッドデッキの10年総額とだいたい同じくらいという結果になります。 ただ、実際は庭の広さや素材の違いなどさまざまな要素が影響してくるので、まずは自分の希望がどれくらいなのか、見積もりを取ってみることから始めるといいかと思います。 安全性や快適性は?小さな子どもやペットがいても安心なのはどっち? 「子どもが転んでも痛くない?」 「夏に素足で出られるの?」 そのあたりも気になりますよね。 雨の日はどちらも滑るので注意 まず知っておいてほしいのが、「木なら滑らない」は正確ではない、という点です。 ウッドデッキも濡れたり苔が生えたりすると滑りやすくなります。 メーカーの取扱い情報でも「濡れた表面は滑りやすいので注意」と書かれているほどです。 ただし、タイルデッキは雨の日や水遊びの後に特に滑りやすくなります。 滑りにくいタイルを選ぶか、滑り止めマットを敷くといった対策がおすすめです。 転んだときの衝撃は、ウッドデッキの方がやわらかい これはイメージ通りかと思いますが、転倒したときの衝撃はウッドデッキの方が小さくなります。 タイルデッキはコンクリート+タイルの硬い下地のため、転倒時の衝撃がどうしても大きくなります。 小さなお子さんがいるご家庭では、マットやラグを敷く・コーナークッションを設置するなどするといいでしょう。 夏の表面温度は60〜70℃に達することも(色選びと屋根が重要) 夏場の表面温度は、正直なところ「どちらも熱くなります」。 どちらも条件次第で50〜70℃級に達することがあり、素足では歩けないレベルです。 タイルの方がやや高温になりやすいですが、素材だけで決まるわけではありません。 実は、素材よりも「色」の影響が大きいです。 濃色の素材は日射を吸収しやすく、明るい色は熱くなりにくい。 どちらの素材でも明るい色にすれば、表面温度はある程度抑えられます。 また、屋根があるだけでもずいぶん変わります。 BBQや子どもの遊び場、洗濯干しでどちらが向いている? BBQを楽しみたいのか、子どもを思いきり遊ばせたいのか、それとも毎日の洗濯を楽にしたいのか。 目的が違えば、選ぶべきデッキも自然と変わってきます。 代表的な4つの用途ごとにまとめました。 BBQや炭火を使うならタイルデッキが安心 バーベキューを楽しみたいなら、タイルデッキをおすすめします。 タイルは不燃材料なので、炭火や火の粉が飛んでも床が傷みません ウッドデッキでバーベキューをされる場合は、耐熱シートをデッキに敷いた上でご使用ください。 子どもの遊び場にはウッドがおすすめ 毎日子どもが駆け回る場所として使うなら、ウッドデッキの方が安心です。 転倒時の衝撃が和らぐだけでなく、素足で遊んでも夏場の熱さが比較的マイルドです。 ペットの場合は少し事情が違います。 ウッドデッキ(特に天然木)は爪跡がつきやすく、タイルデッキは滑りが気になる場合があります。 一長一短なので、使い方に応じてご相談いただくのがベストです。 なお、プールをデッキの上で使いたい場合はタイルデッキをおすすめします。 プールに水をたっぷり入れるとかなりの重さになります。 ウッドデッキだと構造に負担がかかりやすいですが、コンクリート基礎のタイルデッキなら重さにも対応できます。 毎日の洗濯干しには段差が少ないタイルが便利 毎日洗濯物を干す用途であれば、リビングとフラットに接続しやすいタイルデッキが使い勝手よく感じることが多いです。 段差が少なく出入りがスムーズで、砂・花粉・泥が付いても水洗いで落とせます。 ただし、ウッドデッキでも段差をなくせれば、同じように使えます。 くつろぎのセカンドリビングとしてはどちらも◎ 「セカンドリビングとしてくつろぎたい」という用途では、どちらも十分に使えます。 ウッドデッキは木の温もりと自然な風合いが魅力で、裸足で歩く心地よさは他の素材にはなかなか出せません。 天然木の経年変化を楽しめる方には、特に愛着が湧く空間になります。 タイルデッキはモダンで高級感のある雰囲気を長く保てます。 「うちの場合はどっちがいいんだろう?」と迷った方は、ご相談ください。 最近、達匠でもタイルデッキのご依頼が増えています。 お客様の暮らし方やご予算に合わせて、最適なプランをご提案します。 なぜ今、タイルデッキのご依頼が増えている?(達匠の肌感覚) データで裏付けたわけではありませんが、「こういう背景があるんじゃないか」と感じていることが4つあります。 毎日が慌ただしくなって「手間のかからない方がいい」に変わってきた コロナ以降、BBQとプールが庭の"定番"になった 庭ではなく「外部リビング」として設計する人が増えた 今どきのモダン・ホテルライクな住宅と、デザインの相性がいい ① 毎日が慌ただしくなって「手間のかからない方がいい」に変わってきた 共働き家庭が増え、週末の使い方も以前とは変わってきました。 庭は使いたいけれど、手入れに時間をかけられない。 そういう家庭が増えるほど、メンテナンスが楽な素材を選ぼうという流れは自然なのかもしれません。 ② コロナ以降、BBQとプールが庭の"定番"になった コロナを機に、庭を使って楽しむ時間が増えました。 油汚れ・水濡れ・ビニールプール。 これらとタイルの相性がとにかくいい。 水で流せばリセットできるので、後片付けの楽さは体感レベルで違います。 ウッドデッキでも楽しめますが、炭火や油汚れが木に染み込むとなかなか落ちません。 「もっと気兼ねなく使いたい」というニーズが強まったことが、タイルへの関心につながっているのかもしれません。 ③ 庭ではなく「外部リビング」として設計する人が増えた 最近は「庭」というより、リビングの延長線上に外のスペースを位置づけるお客様が増えているように感じます。 タイルは高級感が出しやすく、建物との一体感も作りやすいのが特長です。 モダンな外観の住宅との相性もよく、「室内から続く空間として見せたい」という方には選ばれやすい素材だと感じています。 ④ 今どきのモダン・ホテルライクな住宅と、デザインの相性がいい 新築住宅のデザインが、ここ数年でずいぶん変わってきました。 白や黒を基調としたシンプルな外観、石目調やマット系の素材を取り入れたホテルライクな仕上げが増えています。 そういった家には、同じ素材感のタイルデッキが自然と合いやすい。 ウッドを合わせると「温もりが出すぎる」と感じる方もいて、そこがタイルを選ぶひとつの理由になっているのかもしれません。 【結論】あなたにはどっちがおすすめ? ここまで見てきて、まだ迷っている方は、この3つを考えてみてください。 10年後も塗装の時間(または費用)をかけてでも、木の質感を取りたいか? BBQや炭火を使う機会が多いか? 転倒リスクを、床の柔らかさで減らしたいか? 1・3にYESが多いならウッドデッキ、2にYESならタイルデッキが向いています。 おしゃれなウッドデッキの施工事例や選び方は、以下の記事で紹介しています。 タイルデッキのデザインや施工事例は、こちらをご覧ください。 まとめ:使い方が決まったら、まずは見積もりを取ってみよう この記事のポイント 初期費用+維持費の10年総額はほぼ同水準になる BBQや炭火を使うならタイル(不燃材料で安心) 子どもの遊び場にはウッドの弾力がおすすめ 夏の表面温度は素材より「色」の影響が大きい タイルも人工木も完全フリーではない タイルが増えている背景には、暮らし方やトレンドの変化がある 10年分のコストで考えると、タイルとウッドデッキの差は、実は初期費用ほど大きくありません。 決め手になりやすいのは「BBQをよく使う家かどうか」「子どもが毎日走り回る場所にするかどうか」といった、使い方の方向性です。 実は、費用より先に「使い方」を決めてしまうと、意外とすんなり決まるのではないでしょうか。 方向性が絞れたら、次は見積もりを取って費用感を確かめてみましょう。 達匠は岐阜・愛知エリアで5,000件超の施工実績を持ち、タイルデッキ・ウッドデッキどちらも自社施工で対応しています。 LIXILエクステリアコンテストのデザイン部門6年連続受賞の実績もあり、ご用途とご予算に合わせて中立的にご提案します。 どちらにするか迷っている方は、気軽にご相談ください。