投稿日:2026.05.30 最終更新日:2026.06.01
せっかくシンボルツリーを植えるなら、夜の玄関まわりもきれいに見せたい。
でも、「どこにどんなライトを置けばいいか分からない」「配線工事が大変そう」と、照明の計画を迷っていませんか?
実は、大がかりな工事にはなりません。
スポットライトを木の幹から少し外側に置いて斜め上に向けるだけで、夜の外観はかなり変わります。
置く位置と角度を少し工夫するだけで、昼間とはまったく違う夜の表情が生まれるのがシンボルツリーのライトアップです。
この記事では、シンボルツリーをきれいにライトアップする照らし方やライトの置き方を、岐阜・愛知エリアで累計5,000件以上の外構施工を手がけてきた達匠の施工事例も交えながら解説します。
12年間住宅の設計に携わり、その際、エクステリアの持つ可能性に興味を持ち、外構の設計として13年になります。
目次
スポットライトをどこに置くか、まずそこが最初の迷いどころだと思います。
スポットライトは、木の幹から少し外側に置いて斜め上に向けるだけで、夜の外観はかなり変わります。
外壁の色によっては、木の影を壁に映す演出もできます。

昼間、植物に当たる光は上から下へ注ぎます。
アップライティングはその逆で、地面付近に置いたスポットライトを斜め上に向ける照らし方です。
太陽光と逆の方向から光が当たるので、昼間には見られない表情が出ます。
設置位置の目安は、木の幹から30〜50cmほど外側。
そこから斜め上向き(仰角45〜60度程度)に照らします。
ここで気をつけたいのが、ライトを真下から垂直に当てないこと。
影が不自然になりやすく、「なんとなく変」という感じになりがちです。
「少し外側から斜め上」という角度が、自然な見え方のポイントです。
まずスポットライト1本あるだけで、雰囲気はだいぶ変わります。
さらにこだわりたい場合は、夜の見え方を確認しながら本数を増やしてみましょう。
複数の方向から光が当たることで、木に立体感が出ます。
特に株立ちの樹木(アオダモや株立ちヤマボウシなど)のように複数の幹が束になっている場合は、2方向から照らすとよく映えます。
幹と幹の間に光と影のコントラストが生まれ、夜の外観がより印象的になります。

一方、シャドーライティングは、樹木と外壁の間にスポットライトを当て、外壁面に植栽の影を映す照らし方です。
風が吹くたびに影が揺れて、見ていて飽きません。
リビングからガラス越しに眺める景色も変わります。
ただし、この美しい影を作り出すには、いくつか押さえておきたい条件があります。
まず、外壁の色が白〜淡いベージュ・グレーであれば影のコントラストがはっきり出ます。
一方、濃いブラウンやダークグレーの外壁では影が見えにくく、効果が薄れます。
樹木と外壁の距離は50cm〜200cm程度が目安。
近すぎると影がくっきり出すぎて不自然になり、遠すぎるとぼやけます。
枝ぶりが複雑な落葉樹は、特に影が映えやすい木です。
冬に葉が落ちた後、枝のシルエットが外壁に浮かぶ季節もシャドーライティングの見どころになります。
外壁が遠い、または色が濃い場合は、アップライティングのほうが向いています。

「結局、何を用意すればいいの?」と思ったら、まずは「スポットライト」を選べば間違いありません。
グランドライトは足元の補助として後から組み合わせれば十分なので、まずはスポットライト1本から試してみるのがおすすめです。
スポットライトは、狙った場所へ光を向けやすい照明です。
地面に差し込む「スパイク式(挿し込み型)」が多く、後から位置を調整しやすいのも使いやすい点です。
雨ざらしで使うものなので、防水規格はIP65以上が目安。
購入前に製品ラベルで確認できます。
色温度は、電球色(2700〜3000K)がなじみやすいです。緑の葉が黄緑〜金色に見え、木の温かみも出やすくなります。
スポットライトには、光が絞られるタイプと広がるタイプがあります。
光が絞られるタイプは幹や特定の枝をシャープに見せたいとき、広がるタイプは葉が茂った樹木全体をやわらかく照らしたいときに向いています。
グランドライトは、地面に埋め込んで使う照明です。
植栽の根元まわりに設置すると、足元にやわらかな光が広がるのが特徴。
スポットライトが枝葉を上方向に浮かび上がらせるのに対し、グランドライトは根元や地被をやさしく照らす補助役です。
ただし、気をつけたい点が2つあります。
ひとつは防水規格です。
地中に埋め込む照明なので、一時的な水没に対応するIP67以上が必要です。
もうひとつは、一度設置すると位置を変えにくいこと。
スパイク式のスポットライトはある程度動かせますが、グランドライトはコンクリートや舗装材の中に組み込む形になります。
「やっぱり少しズラしたい」という調整は、後からだと難しくなります。
工事の前に、設置場所をしっかりと決めておきましょう。
また、シンボルツリーの根が張る範囲(幹の太さの5〜10倍程度が目安)に埋め込むと、根を傷める恐れがあります。
植栽の専門家に相談しながら配置を決めると安心です。
アプローチや門柱まわりの照明については、別の記事で詳しくまとめています。
外構の打ち合わせでは、照明はつい後回しになりがちです。 ただ、外構は夜の見え方で印象が大きく変わります。 ここをなんとなく決めてしまうと、完成してから「暗い」「思っていた雰囲気と違う」と感じやすい部分でもあります。 外構工事21年・累計5,000件以上の実績をもとに、おしゃれにするコツや注意し

夜の見え方を左右する条件は3つ。
樹種・植えた位置・外壁や電源との距離です。
「近くから照らすほど明るく見える」と思いがちですが、樹種によって光の当たり方はかなり違います。
常緑樹(シマトネリコ・オリーブ・ソヨゴなど)は、一年中葉をつけています。
シマトネリコは細かい葉が密集しているので、近距離から直射すると葉の表面だけが白く飛んで不自然になりやすいです。
シマトネリコには、少し離れた位置から広角ライトで全体に光を当てる方法が合っています。
オリーブやソヨゴは葉の密度が低く、光が内側まで通りやすい木です。
落葉樹に近い見せ方も楽しめます。
落葉樹や株立ち(アオダモ・コハウチワカエデなど)は、幹のシルエットが見どころです。
幹が美しい株立ちの樹木は、狭角タイプの光で幹に沿わせるように、できるだけ真下から照らすといいです。
さらに複数方向から照らすと幹と幹の間にコントラストが生まれ、立体感が出ます。
まずは自宅のシンボルツリーが「一年中葉がある木」なのか、「冬に葉が落ちる木」なのかで、どう照らすかが変わってきます。
シンボルツリーを美しくライトアップするコツは、まず「どこから眺めるか」を決めてしまうことです。
例えば、アプローチを歩いているとき、リビングの窓からふと外を眺めたとき、あるいは車を降りて家に向かうとき。
こうした「いつもの視点」から一番きれいに見えるように、植える位置と光を当てる方向をセットで考えると、「あ、いいな」と思える景色が作れます。
木を植えた後からライトを追加しようとすると、当然ですが木はもう動かせません。
光の当て方にどうしても制限が出てしまいます。
だからこそ、これからシンボルツリーを植えるなら、「将来はここから照らそう」と逆算して植える場所を決めるのがおすすめです。
もう木が植わっているなら、「どこから見たときを一番きれいにしたいか」から考えてみましょう。
スパイク式のスポットライトなら後からいくらでも動かせるので、最初は仮置きで試してベストな位置を探してみましょう。
シンボルツリーの後ろの外壁が白や淡い色なら、壁に木の影を映し出す「シャドーライティング」もおすすめです。
木と壁の間にライトを置くと、枝や葉のシルエットが壁にきれいに浮かび上がります。
風で影がゆらゆらと揺れる様子は、ただ木を照らすのとはまた違った趣があって、見ていて飽きません。
外壁が濃い色、または木が外壁から離れすぎている場合は影が映りにくいので、アップライティングを基本に考えます。
アップライティングだけでも、夜の外観は十分に変わります。
木の種類、外壁の色、照らす向き、照明の使い方が違う5件です。
実際に達匠で施工した事例をご紹介します。

愛知県一宮市に施工した新築外構の事例です。
アオダモとフィリフェラのシンボルツリーをアップライティングで根元から照らし上げ、浮き階段のビームライトと組み合わせることで、昼間とはまったく違う夜の顔をつくっています。
昼間はグレーとブラックのモダンなファサード、夜はスポットライトに照らされた植栽が玄関まわりを柔らかく引き立てます。
LIXILエクステリアコンテスト2024ファサード部門で銀賞受賞した事例です。

岐阜市の角地200㎡に施工した事例です。
スポットライトでシンボルツリーを根元から照らし上げ、後ろの塀に枝の影が映り込むように角度を合わせています。
「アップライティング(下から上へ照らす)」のライトを使いながら、「壁に影を映す」シャドーライティングの効果を同時に出してます。
浮き階段にはビームライトが内蔵されていて、足元も自然に明るく見えます。

岐阜市の150㎡に施工した事例です。
アプローチ横のシンボルツリーをライトアップし、後ろの縦格子に枝の影が映りこんでいます。
白い壁だけでなく、縦格子にもシャドーライティングが使えます。

LIXILエクステリアコンテスト2020に入賞した岐阜市の事例です。
シンボルツリーはアオダモ(落葉樹・株立ち)。
スポットライトで照らすと、細い枝が白い外壁にきれいな影を落とします。
白壁の近くに株立ちの樹木があるとシャドーライティングが使いやすく、この事例はその条件がきれいにはまっています。
落葉樹なので、葉が茂る夏と枝だけになる冬で夜の見え方も変わります。(2020年施工)

岐阜市に施工した外構リフォームの事例です。
スロープに沿って植栽スペースを配置し、夜はウォールライトと植栽のライティングを組み合わせています。
木を下から照らすのではなく、壁面の明かりと植栽を合わせることで、夜でも足元が見えやすく、玄関まわりにやわらかい雰囲気が生まれます。
「シンボルツリーだけを照らす」というより、植栽・壁・動線をまとめて見せたい場合に参考になります。

費用はどのくらいか、後から照明を追加できるか、ソーラーライトで代用できるか。
打ち合わせ前によく気になることをまとめました。
A. 工事費込みで1カ所あたり3万〜6万円前後がひとつの目安です。
費用は「照明代+設置工事費+配線工事費」の3つで決まります。
また、スポットライトの数・照明のグレード・電源からの配線距離によって金額は変わります。
まずは現地を確認した上で、お見積もりをお出しします。
A. 追加できますが、外構完成後は思った以上に手間と費用がかかります。
タイルやコンクリートで舗装した後では、舗装材の一部を切断・撤去してから溝を掘り、保護管を通して埋め戻す工程が必要です。
すでに植栽がある場合は、根を傷めないよう迂回する手間も加わります。
屋外コンセントがなければ、別途増設工事(1か所あたり3〜4万円程度)も必要です。
ただ、今すぐライトを設置するかどうか決めきれなくても、後からラクに追加できるようにしておく方法はあります。
外構工事の段階で「ここをライトアップしたいかもしれない」と業者に伝えておけば、将来の配線用の管だけ先に埋める「先行配管」という対応ができます。
これなら材料費くらいの手間で済むので、まだ迷っている段階でも一言伝えておくだけで対応できます。
A. 手軽さはありますが、達匠ではおすすめしていません
市販のソーラーライトは、高さ2〜4mの木を上から下まできれいに照らすだけの光量がありません。
木の存在は分かりますが、「映える夜の外観」にはなりにくいです。
また、冬や雨が続く時期は充電が不足し、うまく点かなかったり点灯時間が短くなったりします。
夜の外観をしっかり変えたいなら、有線式のスポットライトのほうが確実です。
シンボルツリーのライトアップで大事なのは、ライトの種類だけではありません。
同じスポットライトでも、木の種類、植える位置、外壁との距離、電源の場所によって、夜の見え方はかなり変わります。
この記事のポイントは、次の5つです。
特に、一度コンクリートを打ってしまうと配線ルートは後から変更できず、工事の手間も費用もかさんでしまいます。
「まだライトをどれにするか迷っている」という段階であっても、外構工事のタイミングで配管の準備だけでも進めておくといいでしょう。
「写真みたいにしたいけれど、うちの木でもできるのかな」
「今はライトを付けるか迷っているけれど、後から追加できるようにしておきたい」
その段階で相談しても大丈夫です。
達匠では、植栽の特性に合わせたライティングの位置や、将来困らないための配線計画まで、お庭の工事とあわせてトータルでご提案しています。
現地の電源位置や外壁との距離を確認しながら、自宅に合った照らし方を一緒に考えますので、いつでも選択肢の一つとしてお気軽にご相談ください。
投稿日:2026.05.30 最終更新日:2026.06.01
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